第1章 「また食べてしまった…」
甘いものがやめられない。
たぶんこの記事を読んでいる人の中にも、「わかる…」と思っている人は多いんじゃないでしょうか。
ダイエットしようと思っていたのに、気づけばコンビニでチョコレートを買っている。
お腹いっぱいだったはずなのに、食後になるとデザートが欲しくなる。
夜になるとアイスが食べたくなる。
そして食べ終わった後に少しだけ後悔する。
「また食べてしまったな…」
でも不思議なんですよね。
毎日欲しくなる人もいれば、全く欲しくならない人もいる。
同じような生活をしていても、その差は結構大きいです。
実際、患者さんからもよく相談されます。
「先生、甘いものがやめられないんです」
そして大体こう続きます。
「意志が弱いんですよね」
でも僕はその言葉を聞くたびに思います。
本当にそうなんだろうか。
もし意志の問題だけなら、もっと単純な話のはずです。
今日はそんな話をしてみようと思います。
第2章 僕が最初に聞くのは甘いものの話ではありません
実は僕、「甘いものがやめられないんです」
と言われても、最初に甘いものの話はあまりしません。
まず聞くのは別のことです。
朝スッキリ起きられますか?
昼ご飯の後って眠くなりますか?
足はむくみやすいですか?
疲れは取れていますか?
そんなことを聞きます。
すると結構な確率で、「あ、それ当てはまります」という答えが返ってきます。
最初は関係なさそうに聞こえると思います。
でも僕はむしろ、そっちの方が気になります。
なぜなら、甘いものがやめられない人ほど、体が疲れていることが多いからです。
第3章 疲れた日ほど甘いものが欲しくなる
よく考えてみると不思議です。
元気いっぱいの日よりも、疲れている日の方が甘いものって欲しくなりませんか?
仕事でクタクタになった日。寝不足の日。嫌なことがあった日。
そんな日に限ってチョコレートがやたら美味しそうに見える。
逆に休みの日にゆっくり寝て、体調が良い日はそこまで欲しくならないこともあります。
僕自身もそうです。疲れている時ほど甘いものが美味しく感じます。
だから甘いものが欲しくなること自体は悪いことではありません。
問題は、それが毎日続いていることです。
体がずっと何かを求めている状態かもしれないからです。
第4章 甘いもの好きな人に共通すること
これまでたくさんの患者さんを見てきましたが、甘いものが好きな人には共通点があります。
朝が苦手。疲れやすい。食後に眠くなる。
むくみやすい。冷えやすい。
もちろん全員ではありません。
でも驚くくらい重なります。
だから僕は、「甘いものがやめられない=意志が弱い」
とはあまり思っていません。
むしろ、「体が何かを訴えているサインかもしれない」
と思っています。
ここが今日一番伝えたいところかもしれません。
第5章 東洋医学には面白い考え方があります
ここで少しだけ東洋医学の話をしてみます。
東洋医学には「脾(ひ)」という考え方があります。
正直、初めて聞く人も多いと思います。
僕も学生の頃はよくわかりませんでした。
でも臨床に出てから、「ああ、こういうことか」
と思うことが増えました。
東洋医学でいう脾は、簡単に言うと食べたものをエネルギーに変える担当です。
人は食事をして、その栄養を使って動いています。
でもその働きが弱くなると、うまくエネルギーを作れなくなると考えます。
すると疲れやすくなったり、だるくなったりします。
東洋医学では、そんな状態の人ほど甘いものを求めやすいと考えるんです。
第6章 実は僕も勘違いしていました
昔の僕は、甘いものが好きな人は単純に甘いものが好きなんだろう。そのくらいに思っていました。
でも患者さんを見ていると、どうもそれだけでは説明できないんです。
「先生、チョコレートがやめられないんです」という人ほど、睡眠不足だったり、食事が不規則だったり、疲れが抜けていなかったりします。
もちろん全員ではありません。でもかなり多い。
だから最近は、甘いものが好きというより、体が疲れているサインなんじゃないかと思うことがあります。
第7章 甘いものが甘いものを呼ぶこともある
ここが少し難しいところです。甘いものが欲しくなる。
食べる。
ホッとする。
また欲しくなる。
この繰り返しです。
実際に患者さんからも、「食べてる時は幸せなんです」と言われることがあります。
すごくわかります。
でもその一方で、翌日も欲しくなる。また次の日も欲しくなる。
そんな状態になっている人もいます。
だから僕は、甘いものを悪者にするより、なぜそこまで欲しくなるのかを考える方が大切だと思っています。
第8章 現代人は疲れすぎている
正直な話、今の時代って疲れている人が多いです。
朝からスマホ。仕事でもスマホやパソコン。帰ってからもスマホ。
気づけばずっと何かを見ています。
睡眠時間も短い。ストレスも多い。でも本人はそれが普通だと思っています。
だから疲れていることに気づいていない。
そういう人を本当にたくさん見ます。
体が疲れているのに、さらに頑張ろうとする。
その結果、甘いものに頼りたくなる。
そんな流れもあるのかもしれません。
第9章 脾をいたわるために今日からできること
① 甘いものをやめるより「朝食」を見直す
患者さんを見ていても、甘いものが止まらない人ほど朝食を抜いていることがあります。
朝食を抜くと昼過ぎにはエネルギー不足になりやすい。
その結果、体は手っ取り早くエネルギーになる甘いものを求めます。
まずは甘いものを我慢するより、朝食を食べる方が先かもしれません。
② 冷たい飲み物を減らす
東洋医学では脾は冷えを嫌うと言われています。
夏でも冷たい飲み物ばかり。アイスコーヒーばかり。
これを続けている人は意外と多いです。
全部やめる必要はありません。
まずは1日1杯だけ温かい飲み物に変えてみる。
それだけでも十分です。
③ 実は黄色い食べ物は脾と相性が良い
東洋医学には五行論という考え方があります。
脾は「黄色」と関係すると言われています。
例えば
- かぼちゃ
- さつまいも
- とうもろこし
- 大豆製品
- 卵
昔の人はこういう食材を脾を養う食材として考えていました。
④ よく噛む理由は消化だけじゃない
東洋医学では脾は食べ物から気を作る場所と考えます。
早食いはその負担を増やします。
よく噛むことは消化だけでなく、体のエネルギー作りを助けることにも繋がるという考え方があります。
⑤ 甘いものを敵にしない
これが一番大事。
実は東洋医学では「甘味」そのものは脾を補う働きがあると言われています。
だから甘いものが全て悪いわけではありません。
問題は摂り過ぎです。
ゼロにするのではなく、付き合い方を考える。その方が長く続きます。
第10章 まとめ
甘いものがやめられない。
そんな悩みを持っている人は意外と多いです。
そして多くの人が、「自分の意志が弱いからだ」と思っています。
でも患者さんを見ていると、僕は少し違う気がしています。
疲れやすい。むくみやすい。朝からだるい。
そんな方ほど甘いものを欲しがることが多いからです。
東洋医学では、その背景に「脾」という考え方があります。もちろん全てを説明できるわけではありません。


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